2013年6月22日土曜日

第16回 謎の用語「ゲーム性」を説明してみた(1)~問題提起編


 ヒャッハー!かいぽんです。

 今回はゲームデザイナーが避けては通れない謎の用語「ゲーム性」についてのお話しです。ついにキタ!この話題!

 このブログでは、この「ゲーム性」という言葉に、完全かつ最終的な説明をつけよう~!と考えています。おおっ?! が、まずはその前知識として「ゲーム性」ってなんで謎の用語なの?という話からどうぞ。

あやふやな「ゲーム性」という言葉


 「ゲーム性」という言葉は、しばしばそのあやふやな定義が問題となり、過去長年ゲーム制作現場を悩ましてきました。

 ある著名ゲームデザイナーをして「安易にゲーム性という言葉を使うやつは信用ならん!使用禁止!!」とまでいわしめた逸話もあるぐらいです。


 ゲーム性が、高い←→低い
 ゲーム性が、深い←→浅い
 ゲーム性が、豊富←→乏しい
 ゲーム性が、複雑←→単純
 ゲーム性が、厚い←→薄い
 ゲーム性が、優れてる←→劣っている
 ゲーム性が、熱い!←→クソ!
 ゲーム性が、尖ってる←→ありふれてる etc.etc...

 「ゲーム性」をあらわす尺度だけでも豊富にあり、なにがなんだかよくわかりません。


 誰かが(しばしばディレクターやプロデューサーが)

  「ちょっと~、これなんだよ?!ゲーム性最悪だろおい」

 と言ったとき、なにをどう修正すればゲーム性が最悪ではなくなるのでしょうか?操作性?難易度?ゲームシステム?アイテム配置?さっぱり具体性が見えませんよね。

 「ゲーム性」という言葉が、あいまいな定義で濫用されることにより、開発現場でのコミュニケーションロスや作業精度の悪化など、悪影響が無視できないレベルで発生しかねないわけです。

 さすがに近年では「ゲーム性」という言葉の定義がある程度明確になってはいるものの、その使い分けの難しさゆえ、また個人ごとの解釈のブレなどもあり、依然として現場に混乱を呼ぶことは避けられていません。

 このように、「ゲーム性」という単語は、忌み嫌われ、頭の悪いバズワード扱いになっているのが現状です。



「ゲーム性」定義の歴史


 「ゲーム性」という言葉を定義するにあたって、過去に様々な議論があったようです。歴史をなぞるととてもとても長くなるので、手短に結論だけまとめれば、だいたい以下の6グループに分かれたかんじと理解しています。

  • そもそもまずゲームとはなんぞやという定義が必要なんじゃないの派(循環派)
  • 俺様定義ではこれこれこうだ派(俺様原理主義派)
  • みんなが勝手に俺様定義して乱立してるから定義すること自体にもう意味ないよ派(あきらめ派)
  • そんなの個人個人が勝手に定義すればいいじゃん派(個人尊重派)
  • もうめんどくさいから「ゲーム性」って言葉使うなよ派(使用禁止派)
  • 広義のゲーム性と狭義のゲーム性ってことで決着しなよ派(穏健派)

 ちょww俺w複数にあてはまるwwwって猛者の方もおられると思いますが、まあそれはそれとして。


ところで海外ではなんて言ってんの?


 海外には、そのまま「ゲーム性」に相当する言葉がありません。なんとびっくり!

 海外ゲームローカライズを数多く手がけている英語堪能なプロデューサー・長谷川亮一氏に聞いてみました。
「日本語の「ゲーム性」はあまりにも広義で直訳はありません。強いて言えば "gameplay" か "fun factor" あたりが近いかと。純粋にシステムに限定するなら "core game play mechanics" ですかね。」
 だそうです。英語はわかりやすくて混乱がなくていいですね~。海外ゲームの出来がいいわけですわ。

 なにしろコア・ゲーム・プレイ・メカニクス!ですからね。CGPM!かっくいいネ。


 今回は残念ながらここまで。
 さて次回では、なぜ日本ではこんなに混乱してしまうのか、そして「ゲーム性」の完全かつ最終的な説明とやらは何か。それを華麗に!わかりやすく!紐解いてみます。乞うご期待!

1 件のコメント:

  1. つづき期待しています。
    明快な回答で、ゲーム性というお化けを除霊して欲しいです。

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