2012年10月25日木曜日

第1回 クソゲー力とのたたかい


 ゲーム制作とは、ひとことで言ってみれば、『クソゲー力』とのたたかいです。


「この世界はクソゲー力(ちから)に満ちあふれており、
普通にゲームを作れば例外なくクソゲーになる」


 これをクソゲー力原理といいます。(勝手にぼくが名付けました)
なにかの冗談とかじゃないですよ。ホントだから!


 「クソゲー力」は、空間に満ち満ちており、それ自身は目に見えないものですが、その圧力はさまざまな形に変換され、ゲーム制作現場に降り注ぎ、ゲームが面白く完成することを強固に妨害しています。


 予算不足、スケジュール不足、無理解なプロデューサー、読めないマイルストーン審査、混入する大量のバグ、逃げるプログラマー、実現不可能な仕様書、度重なる方針変更、狂ってるとしか思えない指示、指示どおりに従わないスタッフ、仕様が噛み合わない、作ってみたらまるで面白くない、思ってたのと違う、想定外のユーザー行動、大御所のちゃぶ台がえし、なぜか行方不明になるデータ、そもそもツールがバグってた、無茶な工程表、ズダボロの進行管理、ハードディスクのクラッシュ、しかも最新のバックアップがなかった、etc.etc...

 なんという恐ろしさでしょうか・・・


 ゲーム制作に携わるすべてのスタッフ・関係者は、基本的にひとりの例外もなく、ゲームを面白くせんとして行動しているにもかかわらず、なぜこのような理不尽なトラブルが起こるのでしょうか? 誰一人悪者はいないのに。

 それは「クソゲー力」によるものです。スタッフには罪はない!

 あなたの作るゲームは、このクソゲー力によって数多くの危機に見舞われ、クソゲー化していく危険に、常に晒されているのです。


 しかし、多くのゲーム制作現場では、スタッフのたゆまぬ努力と献身的な貢献、細心の注意とゆるぎない問題解決能力、粘り強い抵抗と愛と勇気を結集することで、振りかかるクソゲー力の浸透圧を、かわし、押し返し、あるいは打破することに成功し、最終的にそのゲームを面白く完成させているのです。なんという勇者たちよ!


 ゲーム制作にあたっては、まず面白いゲームを構想することがもちろん第一ですが、その実現には、このクソゲー力と戦い、勝利することが必要です。


 ゲーム制作とは、じつはその大半は、
架空の概念「クソゲー力」との戦いといえるのです。


 さて。「クソゲー力」は、ぼくが15年ほど前に提唱した概念ですが、現在はその研究も進み、その未知なる力場の正体もなんとなくわかってきました(たぶん)。その正体については、またエントリを改めていずれ詳細を報告したいとおもいます。いつかね!

 そしてこのブログは、そんなクソゲー力と戦うための、考え方やTIPSなど、さまざまな武器を提供するためにがんばっていきたいと思っていマス。そうできればいいなあ(弱気)


 なお、ぼくは『クソゲー力(りょく)』と読む派です!

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